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Project
2026
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08
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28

熱中症ハザードマッププロジェクトを実施しました

1. プロジェクト概要

本プロジェクトは、猛暑の中でも安全・快適に過ごせる都市環境を形成するため、熱中症対策のハザードマップを作成し、渋谷区民の猛暑下での活動や、危険予測への貢献を目指すものです。

2. 背景と課題認識

近年、都市型の猛暑の影響により、熱中症等健康被害リスクの上昇や、街や商店街を回遊できないことによる経済活動の低迷、屋外活動(スポーツ・イベント・散歩・児童の戸外遊びなど)の中止などが地域課題として挙げられています。さらに、数値などの情報から得られる気温と、実際の現場の気温とでは、10度以上の差が生じる場合があるため、「一人一人が自分のいる場所の暑さ」を正確に知り、快適に外出できる環境を整える必要があります。

3. 実施内容

本プロジェクトは、一般社団法人渋谷国際都市共創機構(SII)の会員プロジェクトとして、SII会員企業であるダイキン工業株式会社と一般社団法人渋谷未来デザイン、スタートアップ企業(ビーコンや各種センサーを活用して人・モノの動きを可視化する株式会社ビーキャップ)、そして連携パートナーである株式会社日建設計総合研究所がプロジェクトメンバーとなり、2025年11月~2026年3月 の期間で実施しました。

本プロジェクトでは、渋谷駅周辺のうち、先行事例として道玄坂周辺の熱中症ハザードマップを提供することで、「どこで・いつ・熱中症リスクに晒されるか」を、客観的かつ高精度に可視化しました。屋上レベルの空調機器(室外機)から取得した外気温データを元に、熱中症対策における判断指標であるWBGT(暑さ指数)マップを気象庁や既存行政指標の粗い解像度を超えた「5mメッシュ」で空間の再構築を行いました。

現在、一般社団法人渋谷未来デザインのウェブサイト上でも公開中です。

【渋谷の熱を可視化】渋谷における高精度の熱中症ハザードマップを公開 - 一般社団法人渋谷未来デザイン

さらに、建物屋上の空調機(室外機)から取得した外気温データに加え、地表面温度、3D都市モデルにもとづく日陰・日向情報、人流データなど複数のデータを組み合わせることで、実際の歩行者が感じる暑さに近い形でエリア内の暑熱リスクを表現しました。  

暑熱環境の分析については、  2025年7月~9月の3カ月間の外気温データを中心に活用し、ハザードマップには、熱中症リスクが最も高まる時期である8月のデータをベースに反映いたしました。これらのデータを融合して作成したハザードマップを活用することで、「どこが特に暑くなりやすいか」「人が多く通るルートはどこか」といった視点から、クールスポットの設置場所や、暑さを避けやすい回遊ルートの検討にも役立てることができるようにしました。

4. 成果と示唆 

本プロジェクトでは、道玄坂一丁目エリアを対象に、気象庁の観測値だけでは捉えきれない都市空間内のきめ細かな暑熱リスク分布を、1mメッシュのWBGTマップとして可視化することに成功しました。これにより、同じ交差点や通りであっても、日向・日陰、坂道、ビル影などの条件によって熱中症リスクが大きく異なることを、視覚的かつ定量的に示すことができました。

また、新たなセンサーを多数設置するのではなく、すでに街中に設置されているエアコン(室外機)から取得した温度データを活用することで、追加投資を抑えながら都市スケールの熱環境を把握できる可能性を確認しました。スタートアップ企業が保有する人流データや、建築・都市分野の知見(3D日陰解析等)と重ね合わせることで、クールスポットの配置や回遊ルート設計など、施策検討やサービス開発に直結するアウトプットを提示できたことも大きな成果です。

そして、屋上レベルの空調機データ、地表面温度、3D都市モデルによる日陰情報、人流データといった異なる種類のデータを組み合わせることで、「暑さそのものの分布」と「人の動き方」の両方を踏まえた分析が可能になりました。これにより、単に暑い場所を示すだけでなく、「人が集まりやすい場所の近くにクールスポットを置く」「人通りの多い時間帯・ルートを意識して日陰ルートを提案する」といった、現実の行動に即した施策検討につなげられることが確認できました。  

このように、複数のデータソースを融合してハザードマップを作成する手法は、今後、暑さ対策だけでなく、さまざまな都市課題への応用が期待できることも示唆されています。さらに、本プロジェクトの成果を発信したことにより、暑熱対策を検討している他の自治体からも相談や問い合わせの声が寄せられました。これにより、エアコン等から得られる環境データが、単なる機器情報にとどまらず、「社会課題解決型の都市データ」として活用可能であることへの関心が高まっていることを実感しています。これらの結果は、都市の暑さ対策が「気温情報の提供」にとどまらず、既存データの組み合わせと可視化によって、行動変容やまちづくりの意思決定を支える基盤になり得ることを示しています。

5. 今後の展望

今後、本プロジェクトチームは、今回の先行エリアで得られた知見をもとに、渋谷区内の他エリアへの展開や、他自治体への横展開を検討していきます。また、緑化状況や街路樹、地下通路・地下街なども含めた情報を重ね合わせ、「安心・安全な移動ルート」や「暑さに強い都市構造」を検討するためのツールとして発展させていくことを目指します。 あわせて、地図サービス事業者や歩行距離アプリ事業者、商業施設・イベント主催者などとの連携を通じて、ハザードマップを単なる情報提供にとどめず、日常の移動や買い物行動に自然に組み込まれるサービスとして活用していきたいと考えています。 本プロジェクトを通じて、街の事業者や住民の皆さまから実証試験への協力やご意見を多数いただきました。本プロジェクトチームは、こうした協力的な姿勢を生かし、今後は街全体で取り組む暑熱対策として、環境データを都市スケールで共有・活用し、渋谷から発信する新たな暑熱対策モデルの確立と、酷暑下でも人々が安心して活動できる都市環境の実現を目指してまいります。

プロジェクトメンバー
ダイキン工業株式会社

正会員

関連リンク:https://www.daikin.co.jp/

一般社団法人渋谷未来デザイン

賛助会員

関連リンク:https://fds.or.jp/

株式会社日建設計総合研究所

連携パートナー

関連リンク:https://www.nikken-ri.com/

株式会社ビーキャップ

連携パートナー

関連リンク:https://jp.beacapp-here.com/corporate/

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