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2026
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05
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29

《実践レポート》トークイベント「対話のちから」

 

1.   トークイベント「対話のちから」とは?

「ちがいをちからに」を掲げる渋谷区。昨今、注目を集める「対話」は「ちがいをちからに」を実感できるアプローチのひとつです。対話が人々の暮らす日常に息づくよう、様々な分野(福祉、文化、教育、市民活動、産業…等)で対話の文化を広げていきたいと考えています。

そこで、アート鑑賞を軸に対話のおもしろみを実感する「対話エレクトロニカ」(リンク挿入)に続き、トークイベント「対話のちから」が開催されました。様々なジャンルで対話を実践しているゲストのお話から、対話がどのような現場でどのような変化を起こしているかを知ることで、自分たちも対話をやってみたい!という気持ちが生まれるイベントとなりました。

2. トークイベントのようす

ゲストは、対話の生まれるユニークな取り組みを仕掛ける3名です。

 

・アサダワタル(文化活動家)

表現(音楽・言葉)を手立てに福祉やまちの現場で場を編み、社会をゆるくする活動家。

 

・三ツ木紀英(NPO法人ARDA 代表理事)

美術館・地域で対話型鑑賞の担い手を育成するアートエデュケーター/プランナー。

 

・藤原 顕太(一般社団法人ベンチ 理事)

芸術文化コーディネーター/社会福祉士。福祉×芸術を横断し滞在制作企画を推進。

 

ファシリテーターは山内泰(ドネルモ代表理事)が務めました。

イントロダクションとして、山内より対話的アプローチの魅力と可能性を、実践例を取り上げながらプレゼンしました。(宮崎東高校の「哲学対話」、対話を通して地域の活動を生む「地域デザインの学校」の取り組みなど)

続いてはゲストのお話です。まず、対話型鑑賞に取り組む三ツ木紀英氏より、佐倉市美術館での「ミテ・ハナソウ」プロジェクトが紹介されました。このプロジェクトは、佐倉市美術館の所蔵作品を対象とした対話型鑑賞の実践ですが、小学生のリピート率が高く、「(市民に熱心に観られ、話題にされる点で)この美術館の作品は幸せである」とのコメントがあったそうです。「自分たちが価値創出の担い手となる」という実感が、対話的アプローチから生まれていることがわかります。

次いで、芸術文化コーディネーターの藤原顕太氏より、高齢者福祉施設でのアーティストレジデンスの事例が紹介されました。高齢者福祉施設に、アーティストがレクリエーションなどで一時的に関わるのでなく、長期的に滞在する中で、不思議な関係が培われることが示されました。施設での高齢者との対話やコミュニケーションがアーティストの創造性を引き出していること、そして高齢者もまた元気づけられているようです。

最後に、文化活動家のアサダワタル氏より、障害福祉施設でのアートプロジェクトの事例が紹介されました。福祉施設を「ラジオステーション」として、施設の利用者(メンバー)との対話をラジオ番組として放送するプロジェクトです。このアプローチを通して、「支援する職員と支援される利用者」という関係が、「番組出演者のタレント(利用者)をプロデュースする職員」という関係へと組み変わり、利用者と職員の会話の質が大きく変わっているそうです。

続いてのゲストによるクロストークでは、それぞれの対話的アプローチに共通するポイントを探りました。対話的アプローチを通して、これまでの関係性が変化します。そしてその変化を通して、一人ひとりが持っている可能性が拓かれることが明らかになりました。

一方で、こうした対話的状況は自然発生的には生じにくいという話も。「ラジオ番組」や「対話型鑑賞ワークショップ」などのように、対話的な状況が生まれるような仕掛けや工夫が重要という結論に至りました。

 

トークイベントの最後に、対話エレクトロニカで行ったアート鑑賞のミニ体験を行いました。対話型鑑賞の基本ルールを紹介した後、絵画『南風』(和田三造)を対象に、来場者が二人一組となって、ブラインドトークを行いました。絵を見て説明する人、目隠しして質問する人にわかれ、絵をイメージしながら対話します。その上で、会場全体で実際の絵を見ながら対話型鑑賞を行いました。作品に対して様々な視点からのコメントがあがり、作品に抱いていたイメージがどんどん変わっていく体験の場となりました。

3. 成果とこれから〜「対話」の場への期待

トークあり、体験ありで盛り上がったトークイベント「対話のちから」。アンケートからは、「対話の場に参加したい」(50%)、「対話の場づくりがしたい」(28%)という意見があり、対話を期待する機運があがっていました。また、「自分の思いや考えを自由に発することは、世界が広がり生活が豊かになるのだと思った。そういう機会が少ないから、もっとたくさん増えるといいと思う」「考えを知ること、価値観を広げることに対話の力を感じた」などの意見が見られました。渋谷区が掲げる「ちがいをちからに」―それぞれの価値観や考えを認め合い、力にする意識づくりにつながるイベントとなりました。

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